山梨肺癌研究会会誌 第16巻2号 087-088(2003)
硬化性血管腫の部分切除後対側の徐々に増大する円形陰影を
10年間経過観察した1例
石原重樹、松本真介、横須賀哲哉
小野貴久、平野竜史、南城 悟
要旨
肺野の結節陰影の診断には、XP・CT等、画像診断が重要であることに異論はないと考えられる。ただ画像診断のみに重きが置かれ、もっとも基本的な診断法である胸部理学所見をとることが、特に若い呼吸器外科医におろそかにされている気がしてならない。症例は初診時71歳男性、右肺の硬化性血管腫の術後10年間、外来担当医を悩ませてきた左肺野の徐々に増大する胸部異常陰影は、実は背部の疣贅であった。XP・CTもよく読影すれば、肺内では無いと診断しうる病変であった。しかし画像診断だけでなく、背部の聴診をすればもっと早期に簡単に診断がついていたはずの症例であった。
Key words:胸部異常陰影、画像診断、肺理学的診断、背部の聴診
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